道の駅　上平

道の駅基本情報

駅名	上平(かみたいら)
住所	富山県南砺市西赤尾町72-1
コード	549 434 838*28
駅名の由来	市町村合併前の旧村名の上平村より。 愛称は「ささら館」。「ささら」とは108枚の板を繋いだこの地方の伝統的な打楽器。
施設	物産館、レストラン、そば処
休館日	年末年始 (レストラン 上記に加えて毎火曜日) (そば処 上記に加えて毎木曜日)
営業時間	9:00～17:00[スタンプは16:00まで] (レストラン 11:00～20:00) (そば処 11:00～18:00)
道の駅の特産品	五箇山赤かぶら漬物、五箇山味噌、五箇山燻製豆腐、五箇山すす竹、柿皮沢庵、わさび昆布、姫竹の土佐煮、 田舎塩せんべい、鮎かまぼこ、とろろそば、飛騨高山ラーメン、富山地酒「三笑楽」

世界遺産「五箇山合掌集落」の入り口

　東海北陸自動車道の五箇山ICから国道156号線を南に2km、富山県南西部の旧上平村(現南砺市)に「道の駅　上平」はある。 インターから本駅までの道中はそこそこ住宅が並んでいるが、実は村内で住宅があるのはほぼこの周辺のみ。 白川郷方面から国道156号線で北上するルートを選択した方は、この周辺がいかに未開の地であることを実感するだろう。

道の駅看板

　本駅は世界遺産に登録されている五箇山合掌造り集落の入り口にある道の駅。 合掌造り集落の世界遺産と言えば、本駅から20km南にある白川郷を思い起こすのではないだろうか。 実はこの世界遺産の正式登録名は「白川郷・五箇山の合掌造り集落」。 本来は白川郷と五箇山は対等の立場だが、決定的に異なるのは観光客の数。 2023年度の五箇山合掌造り集落の観光客は白川郷の1/5の40万1千人。 実は、私は同じ日に白川郷から五箇山まで移動したのだが、観光客数の差は歴然。 確かに規模的には白川郷に軍配が上がるが、ゆったりと見学したい方は五箇山の方が良いのではないかと私は思う。

本駅から3km北にある世界遺産の「五箇山合掌造り集落」

　道の駅の利用客数も似たような傾向。白川郷の道の駅と比べると本駅の利用客はかなり少ない。 こちらは正式な数字は発表されていないが、肌感覚では白川郷の道の駅の1/10程度だろうか。 道の駅構内にある店舗の数も徐々に減っている感じがする。 「余計なお世話」と言われてしまうかも知れないが、世界遺産の近くにある道の駅なのだから「頑張れ」と声援を送りたくなってしまう。

駅施設遠景。建物はいくつかあるが、右の2階建ての建物内にあるのは観光案内所のみ。 左側の三角屋根の建物は使われていない。

(広告の下に記事が続きます)

「五箇山の赤かぶ」が名物

　本駅は物産館と食事処(2つ)から成る道の駅。 以前は「珍品堂」という、一風変わった土産店が存在したが、いつの間にか閉店。 ちなみに珍品堂では本駅の愛称にもなっているこの地方でしか見られない打楽器「ささら」が販売されていた。 もしかしたら「ささら」の販売店は珍品堂と共にこの世から消滅してしまったのかも知れない。

右側の平屋の建物が物産館

かつて存在した土産店「珍品堂」(2007年8月撮影)。 この地方でしか見ることが出来ない打楽器の「ささら」、五箇山豆腐やおからクッキー等が販売されていた。

　まず物産館だがスペース的には広いが商品数はかなり少ない。目測ではあるが200種類位ではないだろうか。 ただ、本駅にはエース的な商品が存在する。それは「五箇山の赤かぶら漬け」。 五箇山の赤かぶは平家の落人がこの地に持ち込んだと言われる伝統の野菜で、やや硬い肉質が特徴になっている。 この五箇山の赤かぶを十分に漬け込んだのが「五箇山の赤かぶら漬け」。 まず見た目が美しい。漬け込んでも独自の鮮やかな赤色を保っている。 実際に食べてみるととても美味しい。赤かぶが持つ本来の甘さに、漬け込んだことにより加わった塩辛さと酸っぱさが絶妙にマッチしている。 ポリポリとした食感もこの五箇山赤かぶら漬けの特徴。硬い肉質が適度に保たれている。 これは個人的にもお勧めしたい商品である。

　「五箇山みそ」「五箇山燻製豆腐」も本駅ならではの特産品。これらも平家の落人が持ち込んだ伝統の商品と言われている。 その他にも「柿皮沢庵」「姫竹の土佐煮」「田舎塩せんべい」など、田舎の道の駅らしい商品を販売。 小さな竹の子の「五箇山のすす竹」も本駅ならではの商品。 料理が得意な方は購入されるのは如何だろうか。

本駅名物の「五箇山赤かぶら漬け(500円)」

五箇山赤かぶら漬けは見た目の赤色が特徴。五箇山赤かぶの特徴である肉質の硬さも保たれている。

五箇山の食材を使ったレストラン

　道の駅の施設全般をみるとやや衰退気味な本駅だが、「食」の施設に関しては別。 本駅には2つの食事処が存在。どちらの店も五箇山の食材を活かした郷土料理を味わうことが出来る。

食事処は4店舗入ることが可能だが、現在は2店舗が営業している。

　一つ目の店は「五箇山旬菜工房いわな」。 店名にある通り、この店の名物は「いわな」。五箇山の冷たい清流で養殖されたいわな料理を味わうことが出来る。 名物メニューは「いわなのにぎり(7貫1000円)」。実は「いわなのにぎり」を全国で最初に提供したのがこの店。 注文を受けてから捌くので鮮度はピカイチ。程よい酸味と甘味が評判になっている。 「いわな塩焼き」「いわな唐揚げ」もこの店の人気メニュー。 「いわなの刺身」「いわなの骨せんべい」「いわなのカルパッチョ」等も味わうことが出来る。

「五箇山旬菜工房いわな」の名物は全国初となる「いわなのにぎり」

　もう一つの店は「そば処くるみ」。この店の名物メニューは五箇山のすす竹が入った「山菜そば/うどん(1100円)」。 五箇山の豆腐も付いてくる大満足のメニューである。 地元で獲れたジビエを使った「熊肉そば/うどん(1300円)」も人気のメニュー。 どちらもプラス350円で定食(ごはん/香物2品付き)にすることが出来る。 富山名物の白えびかき揚げが入った「天ぷらそば/うどん(700円)」も提供。 富山ならではの食を満喫することが出来る。

「そば処くるみ」の名物は五箇山すす竹が入った「山菜うどん/そば」