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(和歌山県の道の駅 no.14)

道の駅 おくとろ

駅基本情報
駅名 おくとろ
住所 和歌山県東牟婁郡北山村下尾井335
駅名の由来 「おくとろ」は漢字で記すと「奥瀞」。北山川の渓谷は総称して「瀞峡」と呼ばれているが、 本駅が位置する瀞峡の上流部は瀞峡の中でも特に「奥瀞」と呼ばれている。
施設 物産館(コンビニエンスストア)、レストラン、温泉、宿泊施設
特産品 じゃばらジュース「じゃばらまる」、じゃばらキャンディ、じゃばら果汁飴、じゃばらゼリー、 じゃばらポン酢「じゃポン」、じゃばらウォーター、じゃばらドレッシング、じゃばらママレード、 じゃばら饅頭、じゃばらキャラメル、じゃばらアロマ(石鹸)、筏Tシャツ、筏手拭い

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日本唯一、飛び地の村

 熊野尾鷲道路(紀勢自動車道)の熊野大泊ICから国道309号線を北に17km、 途中から国道169号線に入って更に西に15km、和歌山県南東部の北山村に本駅「おくとろ」はある。 本駅に至る前半の国道309号線は走りやすい道路だが、国道169号線に入ると車のすれ違いが困難な1.5車線の狭い道。 ただ、10年くらい前はもっと酷い道だったので、本駅に至る道路はかなり改善されている。
 さて、本駅が位置する北山村は全国で唯一、飛び地にある市町村。 和歌山県に属する北山村だが、村の東と南は三重県、北と西は奈良県。 他の和歌山県の市町村に行くには南東に12kmも進む必要がある(新宮市の飛び地は除く)。 なぜ北山村が飛び地になったのかといえば、村の主要産業だった筏による水運業の影響。 水運業により北山川下流域の和歌山県新宮市との結びつきが強かったため、 北山村は新宮市と同じ和歌山県を選択したらしい。
 時は流れ、現在ではもちろん筏による水運業は行われていないが、観光筏下りは北山村の名物。 たった人口500人の村に人口の180倍の年間9万人が観光のために訪れている。 本駅は観光センターを併設しており、北山村観光の拠点として機能している。

物産館はほとんど「じゃばら」

 本駅は物産館を兼ねたコンビニ(ヤマザキショップ)、レストラン、温泉、宿泊施設から成る道の駅。 観光名所に相応しい、充実した施設構成になっている。
 まずはコンビニを兼ねた物産館の紹介だが、約半分のスペースで村人の生活を支える日用品を販売、 残りの半分のスペースで北山村の特産品を販売している。 特産品コーナーで販売されているのは約95%が「じゃばら」を使った商品。 「じゃばら」とは柚子と紀州みかんが自然交配した柑橘系の果物で、 今でこそ他県でも生産されているが、かつては北山村だけで生産されていた門外不出の果物。 近年は花粉症抑制に効果があるとマスコミに取り上げられ、大変なブームになっている。 とにかく「じゃばら」を使った商品、その種類が凄い。 定番の「じゃばらジュース」「じゃばらキンディ」「じゃばら果汁飴」、 少し捻った「じゃばらゼリー」「じゃばらポン酢」「じゃばらドレッシング」、 えっ!と思うような「じゃばら饅頭」「じゃばら石鹸」まで、店内を「じゃばら」で埋め尽くしている。
 私はまずは「じゃばら」の味を素直に味わいたいという理由から、 「じゃばらジュース(商品名は「じゃばらまる」)」と「じゃばらキャンディ」を購入。 ただ、商品を購入した後に気が付いたのだが、 じゃばらジュース「じゃばらまる」は「じゃばら」に「ダイダイ」と「日本はちみつ」を配合したジュース。 純粋に「じゃばら」の味を味わうには「じゃばらウォーター」の方が良いかもしれない。 それはともかく「じゃばらまる」は本当に美味しい。じゃばらの酸味をダイダイが強調し、日本はちみつが甘味を補っている。 飲み終えた後味も本当にすっきりとしている。これで花粉症抑制の効果もあるのだから毎日でも飲みたいぐらいである。
 「じゃばらキャンディ」は水飴の中にじゃばら濃縮果汁を閉じ込めたキャンディ。 舐め始めは普通の水飴の甘味を感じるだけだが、徐々にじゃばらの酸味が染み出し、 途中からは水飴の甘味が消えてしまうくらい口の中に酸味が充満する。 意外と「じゃばらキャンディ」の方がじゃばら本来の味を感じることが出来るような気がする。
 さて、商品の95%はじゃばら関連と記したが、「筏」という文字が入った「筏Tシャツ」「筏手拭い」も人気の商品。 もちろん観光筏下りとタイアップした商品だが、こちらは観光客、特に外国人観光客には人気になっているようだ。

レストランには「じゃばら」無し

 本駅のレストランは名物「じゃばら」を冠した「じゃばら食堂」という名のレストラン。 ただ皮肉なことに、この「じゃばら食堂」には名物「じゃばら」を使ったメニューは存在しない。 酒類メニューの中に「じゃばら酎ハイ」「幻のじゃばら酒」というものは存在するが、 ノンアルコールの「じゃばらジュース」すら存在しない。 まあ「じゃばら」を料理の主役に据えるのは難しいと思うが、せめて「サラダのじゃばらドレッシング掛け」とか 「じゃばらポン酢かけ鶏のから揚げ」くらいのメニューがあれば、観光客も喜ぶと私は思うのだが…。
 さて、提供されているメニューは定食類では「熊野牛鉄板焼き定食(2500円)」、 「三元豚厚切りとんかつ定食(1300円)」「海老フライ定食(1300円)」「鶏の唐揚げ定食(1000円)」 「日替わり定食(1000円)」の5品。 私は「鶏の唐揚げ定食」を注文したが衣はカリカリ、肉はジューシー。とても美味しく、シェフの腕は確かなようだ。 その他にも「かつ丼(900円)」「釜揚げしらす丼温玉のせ(900円)」「カレーライス(600円)」 「梅あおさうどん(700円)」等を味わうことが出来る。

奥瀞を見下ろす絶景温泉

 続いて紹介したいのは温泉施設。泉質は低帳性の低温泉(源泉温度27℃)の単純硫黄泉。 体への負荷が少ないため、ゆっくりと湯に浸かることが可能である。 湯の種類は内湯と露天風呂が1つずつ。サウナやジェットバスなどのアクションバスは無い。 低温泉のため水風呂になるが源泉風呂もある。 料金は600円。私の勝手な道の駅温泉の相場観ではサウナ付きで600円、サウナ無しなら500円が平均的と思っているので、 100円くらい割高な気がする。 ただ、温泉から見る北山川の風景は本当に絶景。100円くらいの割高感は完全にチャラ、 むしろお釣りがくるくらいの絶景と感じる。特に日暮れ頃の景色は最高、 私が訪れたのは4月だったが、10月下旬の紅葉のシーズンなら更に素晴らしい風景になると容易に想像できる。


道の駅看板

道の駅看板

観光案内所と24時間トイレ

観光案内所(右)と24時間トイレ(左)

日本唯一の飛び地の村

日本唯一の飛び地の村の看板

物産館兼コンビニ

物産館を兼ねたコンビニエンスストア。8時30分から18時30分までの営業。

温泉とレストラン

温泉とレストランが入る建物。入り口を入って左側は温泉、右側はレストラン。

じゃばらジュースとじゃばらキャンディ

物産館で販売されている「じゃばらジュース(120円)」と「じゃばらキャンディ(250円)」

唐揚げ定食

レストランで食べた「唐揚げ定食(1000円)」。あまり北山村の郷土色は感じないメニューだがとても美味しい。

駅から見える奥瀞の風景

駅から見える奥瀞の風景。温泉の露天風呂からは更に素晴らしい景色を見ることが出来る。