(兵庫県の道の駅　no.36)

道の駅　銀の馬車道・神河

兵庫県の神河町にある「道の駅　銀の馬車道・神河」は「銀の馬車道」の日本遺産登録に伴い、その観光拠点として整備された道の駅。「神河巻き」「大黒巻き」などのローカルグルメを楽しむことが出来ます。以下、現地調査に基づいた利用者目線のレポートをお届けします。

「道の駅　銀の馬車道・神河」施設情報

駅名	銀の馬車道・神河(ぎんのばしゃみち・かみかわ)
住所	兵庫県神崎郡神河町吉富88-10
コード	347 003 501*31
駅名の由来	「銀の馬車道」は生野鉱山(兵庫県朝来市)から飾磨港(兵庫県姫路市)まで神河町を含む3市3町を結ぶ全長49キロの道路。明治時代に確立された道路網で日本初の高速産業道路と呼ばれている。「神河」は町名より。
施設	物産館、レストラン、アンテナショップ
休館日	12/31、1/1 (アンテナショップ火～金曜日)
営業時間	3月～11月 9:00～18:00、12月～2月 9:30～17:00 ※施設毎　→　施設毎の営業時間
道の駅の特産品	神河巻き寿司、大黒巻き寿司、焼きドーナッツ、神河柚子シロップ、神河柚子搾り、生野紅茶クッキー、生野銀山ベイクドクッキー、神河の黒蜜日本蜂蜜、中華ちまき、米粉100%かまど蒸しパン、かみかわウーロン茶
道の駅グルメ	【レストランで提供】牡蠣フライ定食、ハンバーグ定食、但馬鶏の唐揚げ食べ放題定食、エビフライ定食、玉子がけご飯定食、桃色吐息コロッケ【アンテナショップで提供】くりーむぱい、米粉100%バターカステラ
公式ページ	道の駅　銀の馬車道・神河　公式ページ

日本遺産「銀の馬車道」の観光拠点

　播但連絡道路の神崎北ICから国道312号線を南に3km、或いは播但連絡道路の神崎南ICから国道312号線を北に5km、兵庫県の真ん中の神河町に「道の駅　銀の馬車道・神河」はある。
　神河町は播磨灘に注ぐ川(市川)が4つの支流に分岐する特徴的な地形。その4つの支流が造り出した平地部分に民家と田畑が集中。その支流の一つの猪篠川沿いにある本駅は田畑と川、少しばかりの民家に囲まれた自然豊かな環境の中にある。

「道の駅　銀の馬車道・神河」の駅裏を流れる猪篠川の写真 — 道の駅の裏手に流れる猪篠川。写真をよく見ると、川を横切っている猪の姿が見える。

　本駅は「銀の馬車道」の日本遺産登録に伴い、その観光拠点として兵庫県と神河町が共同で整備した道の駅。「銀の馬車道」とは生野鉱山(兵庫県朝来市)から飾磨港(兵庫県姫路市)まで神河町を含む3市3町を結ぶ全長49キロの道路。明治時代に確立された道路網で日本初の高速産業道路と呼ばれている。
　町内には銀の馬車道、及び神河町の歴史や文化に関する資料を展示した「銀の馬車道交流館」もある。銀の馬車道に興味のある方は交流館に訪れてみるのも面白そうだ(開館は金土日の10:00～15:00)。

神河町にある「銀の馬車道交流館」の写真 — 道の駅から車で5分の場所にある「銀の馬車道交流館」。開館日は金土日のみ。私が訪れた日は残念ながら休館日。

　道の駅に話を移すが、本駅のコンセプトは管理元の神河町によると「身の丈に合った道の駅」。神河町の人口規模や財政状況に見合った道の駅を目指しているため、販売されている特産品や農作物は多くない。
　それでも日本全国、数多くの道の駅が赤字経営に苦しむ中、都市部から離れたこの場所で、毎年約70万円の黒字を計上しているのは立派の一言。今後も細く長く、神河町らしい魅力を放つ道の駅であり続けるに違いない。

「道の駅　銀の馬車道・神河」にある大黒様のモニュメントの写真 — 神河町は大黒様を開運招福の福神として崇めている。道の駅入り口には大黒様のモニュメント。ちなみに駅施設は「かんざき大黒茶屋」という名前である。

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穴子がはみ出す名物の「神河巻き」

　本駅は食事処「かんざき大黒茶屋」と神崎町アンテナショップ「かまど」から成る道の駅。注意したいは神崎町アンテナショップ「かまど」は土日月しか営業していない点。残念ながら私は「かまど」の営業日に訪れたことは無いので(すみません)、本稿では「かんざき大黒茶屋」を中心に記したい。

　本駅の方針が「身の丈に合った道の駅」であることは上述したが、本駅の中心施設の「かんざき大黒茶屋」はその言葉通りの施設。店内に物産品販売と食事処があるが、物産品は壁沿いの棚一列のみ。品数にすると50種類くらいだろう。ただ、店内では「神河巻き」「大黒巻き」という2つの名物商品を販売。どちらも太巻きだが、人気の商品になっている。

　まず「神河巻き(880円)」だが、一口では食べるのが難しいほどの極太の太巻き。中に穴子、きゅうり、干瓢、卵、田麩が入っている。特徴は太巻きから大きくはみ出した穴子。これを見ただけで得をした気分。お米は白ごはんでは無く炊き込みご飯。これが、結構、穴子の味とマッチしている。練りわさびが付いていて、わさびを効かせて味わうと更に美味しく感じられる。

「道の駅　銀の馬車道・神河」の名物「神河巻き」の写真 — 本駅名物の「神河巻き」。値札は770円となっているが、これは購入時(2019年)の価格。現在は880円で販売。

「道の駅　銀の馬車道・神河」の名物「神河巻き」の穴子が太巻きからはみ出している写真 — 「神河巻き」は太巻きからはみ出す穴子が特徴。この特徴は今でも変わらない。

　もう一つの名物「大黒巻き(680円)」だが、こちらは具がたくさん入っているのが特徴。太巻きの中にきゅうり/玉子焼き/しいたけ煮/高野豆腐/干瓢/金ゴマが入っている。良くこれだけ詰め込んだと思わず感心。 食感的にはキュウリのシャキシャキ感が素晴らしい。一方、しいたけ煮や高野豆腐は弾力があり食感的にもアクセントになっている。見た目のインパクトは「神河巻き」よりやや劣るが、変化に富む味や食感は甲乙つけられないような気がする。
　その他、神河町特産の柚子や仙霊茶を使った「焼きドーナッツ」各種を販売。「幻の蜂蜜」と呼ばれている「神河の黒蜜日本蜜蜂の蜂蜜」、生野紅茶を使用した「紅茶クッキー」や「神河ゆずシロップ」「神河ゆず搾り」等も販売されている。

「道の駅　銀の馬車道・神河」の名物「大黒巻き」の写真 — こちらも本駅名物の「大黒巻き」。6つの具材が詰め込まれている。

　営業日の関係で私自身は開いているところをまだ見たことが無い(すみません)「神崎町アンテナショップかまど」だが、基本的にはイートインの喫茶店的なスタイル。幾つかの商品はテイクアウトも可能になっているようだ。
　店の壁にメニューが貼りだしてあったので、それをそのまま紹介すると、名物は「米粉100%のバターカステラ」。このアンテナショップの自慢の商品らしい。サクサクのパイ生地にクリームが挟まった「くりーむぱい」も名物商品。クリームの中に神河町産の柚子が入っており、酸味と甘味のバランスが自慢のようだ。ドリンク類では「炭火焙煎珈琲」が名物。「柚子ソーダ」も味わうことが出来る。

「神河町アンテナショップ　かまど」の写真 — かんざき大黒茶屋の隣にある神河町アンテナショップ「かまど」。営業日は土・日・月曜日。

絶対にお得、但馬鶏の唐揚げ食べ放題定食

　本駅の「食」の施設は「かんざき大黒茶屋」店内にある食事処が中心。同じ店内にある物産品販売スペースは狭いが、食事処はまあまあ広い。建物の約9割は食事処のスペースになっている。

　提供されている料理は「牡蠣フライ定食(980円)」「ハンバーグ定食(980円)」「エビフライ定食(1080円)」など。とても美味しそうだが、「神河町ならではの料理か？」と言われると、正直、ちょっと違うかも知れない。
　そんな中、一つだけ驚きのメニューがある。それは「但馬鶏の唐揚げ食べ放題定食」。平日限定で食べ分け禁止のルールはあるが、ブランド鶏肉の但馬鶏を使った唐揚げが食べ放題で1380円はちょっと信じられない。しかも、唐揚げだけではなくご飯もキャベツも味噌汁もおかわり自由。塩味が効いた唐揚げがベースだが、店内にはマヨネーズ、タルタル、ポン酢、天つゆ、ゆず果汁が用意されていて味の変化も楽しむことが出来る。これは絶対にお得。ネットに上げておいてこう言うのも難だが、フードファイターには見つかって欲しくない。特に若い人にはお勧めのメニューである。

　少し変わり種のメニューなら「お出汁で食べるたこ焼き」も面白そう。神河町産の柚子を使って「ゆず寒天スカッシュ」や銀の馬車道を冠した「銀の馬車道定食」「銀の馬車道うどん」も提供されている。