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(兵庫県の道の駅 no.31)

道の駅 あまるべ


「道の駅 あまるべ」は兵庫県香美町にある道の駅。 かつては「絶景と恐怖の場所」と言われた余部鉄橋の袂に位置。安全対策が施された現在は、安心して絶景を楽しむことができます。 以下、現地調査に基づいた利用者目線のレポートをお届けします。



「道の駅 あまるべ」施設情報

駅名 あまるべ
住所 兵庫県美方郡香美町香住区余部1723-4
コード 365 832 437*22
駅名の由来 約100年の歴史の後、平成22年に役割を終えたJR山陰本線の余部鉄橋跡地に駅が位置するため
施設 物産館、軽食堂、余部鉄橋展望施設
休館日 無し
営業時間 9:00~18:00
※施設毎 → 施設毎の営業時間
道の駅の特産品 余部鉄橋鋼材グッズ、余部きな粉草団子、「余部鉄道の思い出(クッキー)」、香住ガニの蟹味噌、 香住ガニ身の缶詰、香住缶(香住ガニと但馬牛肉の缶詰セット)、出石そば、焼きガニ煎餅、かにパイ、黒豆せんべい、 ホタルイカの缶詰、青ゆず
道の駅グルメ 餘部鉄橋御膳、道の駅あまるべ定食、空の駅定食、キミにとろとろごはん、鶏の竜田揚げ定食、とり塩天丼、 海カレー、但馬牛肉うどん/そば、とり天そば/うどん、浜うどん/そば、但馬牛肉まん、香住ガニバーガー、たじま魚カツバーガー
公式ページ 道の駅 あまるべ 公式ページ

絶景&恐怖の余部鉄橋を保存した施設

 山陰近畿自動車道の余部ICから国道178号線を北西に1km、 兵庫県北西部の旧香住町(現香美町香住区)に「道の駅 あまるべ」はある。
 インターからの道中は車窓の左右に山々が迫ってきてはいるものの道路自体は平坦。 そして、前方に遠くからでもはっきり見える橋を見ながらのドライブになる。 道路を進んでいくと橋は更にくっきりと見えてきて、そして誰もが「わっ、高い」と叫ぶのではないだろうか。 やがて、本駅を示す道の駅看板が見えてくる。

「道の駅 あまるべ」の道の駅看板の写真
道の駅看板
 本駅はかつての絶景、そして恐怖の余部鉄橋を保存した余部鉄橋展望施設を中心とした施設。 余部鉄橋は日本海を望むことが可能な古くからの絶景スポットだが、恐怖の場所に化したのは1986年の年末のこと。 日本海からの強風に列車が煽られ、高さ40mの橋から列車が真っ逆さまに転落。 真下にあった民家と水産加工場を直撃する大惨事になってしまった。
 現在は強風対策が施された新しい橋が完成し、旧余部鉄橋は2010年7月に鉄路としての役割を終えたが、旧鉄路の一部を保存。 余部鉄橋展望施設として一般公開しており、鉄道ファンを中心に人気のスポットになっている。 なお、余談になるがこの施設は「空の駅」に登録されている。 空港関連施設以外で空の駅に登録されているのは2025年現在では本施設を含めて2施設のみである。

余部鉄橋展望施設で観賞可能な旧余部鉄橋と新余部鉄橋の写真
余部鉄橋展望施設(空の駅)では旧余部鉄橋(左)と新余部鉄橋(右)の両方を見ることが出来る
旧余部鉄橋の写真
空の駅に展示されている旧余部鉄橋の写真。これは怖い。この列車が真っ逆さまに落ちてくるなんて…想像しただけでも怖い。

(広告の下に記事が続きます。本サイトは広告収入のみで運営しています。ご容赦願います)


余部鉄橋鋼材グッズ等を販売

 早速、余部鉄橋展望施設(空の駅)の紹介を、と行きたいところだが、本サイトは道の駅を紹介するサイト。 まずは道の駅施設の紹介から始めたい。 道の駅には物産館レストラン、小さな農作物直売所がある。 ただ、3つ併せてもかなり小さい。もしかしたら県内で最も小さな道の駅かも知れない。

 物産館で販売されている商品は100~200種類。 ただ、商品の数は少ないが、大注目の商品がある。 それは「余部鉄橋鋼材グッズ」。 実際に旧余部鉄橋で使われていた線路を再利用したもので、ペーパークラフト(文鎮)になっている。 この「余部鉄橋鋼材グッズ」は本駅限定の商品。 それだけではない。鋼材はいつかは尽きるので、あと何年販売されるのかも分からない商品。 鉄道ファンの方には是非、チェックして頂きたい商品である。

 「鉄道よりもグルメ」という方も多いかも知れない。 そんな方には香住ガニを使った商品がお勧め。 本駅が位置する香住町は紅ズワイガニの絶好の漁場として有名。 香住漁港で水揚げされた紅ズワイガニは「香住ガニ」と呼ばれブランド化されているほど。 本駅は香住ガニを使った「香住ガニ身缶詰」「香住ガニの蟹味噌」が特産品として販売されている。 但馬牛肉も香住町の名物。 香住ガニと丹波牛肉の缶詰がセットになった「香住缶」も人気商品になっている。

 その他、余部鉄橋観光の記念品を買いたい方には橋がプリントされたオリジナルタオル、ジグソーパズル、 クリアフォルダー、ポストカード。菓子類なら「余部鉄道の思い出(クッキー)」等がある。 北近畿の特産品を購入したい方には「余部きな粉草団子」「出石そば」「焼きガニ煎餅」「かにパイ」 「黒豆せんべい」等が販売されている。

「道の駅 あまるべ」の駅施設の写真
駅施設。物産館、軽食堂、観光展示スペースがある。
 物産館の横には軽食堂がある。 この食堂、スペース的に小さいので一応「軽食堂」と記したが、メニューの充実度を見れば「軽」と付けるのは失礼なくらい。 香住町ならではのかなり本格的な料理を味わうことが出来る。

 名物メニューは「余部鉄橋御膳(1800円)」「道の駅あまるべ定食(1300円)」 「空の駅定食(1300円)」の3つ。
 「余部鉄橋御膳」は香住ガニのちらし寿司にキス/野菜の天ぷらが付いたもの。 「香住に来たからには香住ガニ」という方にはおすすめメニューである。 「道の駅あまるべ定食」は香住漁港に水揚げされた新鮮な魚の煮つけがメイン料理。 私が訪れた時はエテガレイ。季節や当日の水揚げ状況によって魚は変わるそうだ。 「空の駅定食」は天ぷら/炊き込みご飯/お吸い物が付いたバランス型のメニュー。 なお「余部鉄橋御膳」には旧余部鉄橋の写真入りのシート、「空の駅定食」には余部鉄橋展望施設の写真入りシートが付いてくるので、 鉄道ファンの方に特にお勧めである。
 その他、鳥取県産長芋「ねばりっこ」を使ったとろろご飯(メニュー名は「キミにとろとろご飯(1000円)」)、 どこでも人気の「鶏の竜田揚げ定食(1000円)」を提供。 カレー類なら「海カレー(アジフライ/エビフライ付きの2種類あり)」、 麺類なら「海カレーうどん」「但馬牛肉うどん/そば」「とり天うどん/そば」等を味わうことが出来る。
「道の駅 あまるべ」の軽食堂のメニュー
道の駅「あまるべ」の軽食堂のメニュー
 この軽食堂は喫茶メニューも充実。 特に「香住ガニバーガー(750円)」は人気のメニュー。 バンズの間にカニクリームコロッケ、更にコロッケの上に香住ガニの切り身が入った贅沢なもの。 もしかしたら、定食メニューを含めて、この店で最も香住ガニを直接的に味わうことが出来るメニューかも知れない。
 ブランド牛肉の但馬牛を使った「但馬牛肉まん(400円)」も人気のメニュー。 香住町の幸が詰まった「たじま魚(とと)カツバーガー(600円)」も味わってみたいメニューである。
 なお、上述の定食類/麺類の提供時間は11:00~15:00だが、 喫茶メニューの提供時間は9:00~17:00。ほぼ、どの時間に訪れても味わうことが出来るのは嬉しい。
「道の駅 あまるべ」の軽食堂の喫茶メニュー
道の駅「あまるべ」の軽食堂の喫茶メニュー。「香住ガニバーガー」が人気の商品。
 道の駅構内には観光展示スペースもある。 ここでは余部鉄橋に関するパネルを展示。 また、ビデオ上映コーナーでは在りし日の旧余部鉄橋を走る電車の映像が放映されている。 このあと、空の駅に向かい実物を見学される方も、是非、このビデオは見ておきたい。 「こんな歴史があったのか」と知ると、おそらく橋も、橋から見える日本海も、その見え方が変わってくるだろう。

「道の駅 あまるべ」にある観光展示スペースの写真
観光展示スペースでは余部鉄橋の在りし日の姿をビデオで上映している

高さ40mの橋から見る日本海の絶景

 一通り道の駅の紹介は終了したので、いよいよ話題を空の駅に移したい。 この空の駅の正式な登録名称は「空の駅 余部鉄橋展望台」。愛称は「余部クリスタルタワー」。 道の駅から空の駅までは300m位の距離。2~3分歩けば到着する。

 「クリスタルタワー」の愛称が示す通りガラス張りの建物。 ガラス張りの建物の中にエレベーターがあり、外の景色を眺めながら高さ40mの橋の上まで運んでくれる。 ちなみに、本駅のオープン当時はエレベーターが無く、ひたすら長い上り階段の通路を通る必要があったが、 現在はバリアフリー化は完璧である。

「道の駅 あまるべ」に隣接の「空の駅 余部鉄橋展望台」の写真
空の駅「余部鉄橋展望台」。愛称は「余部クリスタルタワー」。
余部クリスタルタワーの写真
ガラス張りの建物の中にはエレベーターがあり、景色を楽しみながら約30秒で橋の上まで運んでくれる。
 エレベーターを降りて目にするのは役割を終えた旧余部鉄橋と現役の新余部鉄橋の2つの鉄路。 本数自体は少ないが、新しい余部鉄橋は山陰本線が通っているので、 鉄道ファンの方は鉄道の到着時間に合わせて訪れるのが面白いかも知れない。
 鉄路から反対側の北の方向に目を移せば日本海の絶景。そして眼下に広がるのは余部の集落。 写真で見る分にはそれ程でもないかも知れないが、実際にこの場所で見ると迫力は凄い。 安全対策のために高さ3mの柵に囲まれているため、絶対に落ちることはあり得ないが、 橋に吹き付ける強風のためだろうか、何か恐怖心を感じてしまう。
 安全柵も何もなかった旧余部鉄橋。 遠い昔のような感じがするが、実際には引退したのはたったの15年前(2010年7月)。 旧余部鉄橋で電車を走らせていた運転手、利用していた乗客、落下の恐怖と戦っていた余部の住民。 高所恐怖症の私にはとても真似が出来ない。尊敬の念でいっぱいである。

「空の駅 余部鉄橋展望台」から見る日本海と眼下の余部の集落の写真
「空の駅 余部鉄橋展望台」から見る日本海。眼下には余部の集落がある。風が強くてかなりの迫力。写真で見るより実際に現地で見る方が10倍は怖い。
「空の駅 余部鉄橋展望台」にある覗き穴の写真
橋の途中には覗き穴がある。以前は結構、迫力のある風景を見ることが可能だったが、現在はガラスが曇って、ガラス越しの風景はあまり見ることが出来ない。

・施設別営業時間

・道の駅「あまるべ」近隣の入浴施設

【その他の道の駅はこちらから】

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「道の駅 あまるべ」近隣の宿泊施設

(宿名の前の丸数字は地図上の数字に対応したものです。道の駅から近い順に番号を付けています。)
【注】カニが人気の兵庫北部の宿はカニのシーズン(11月~3月)とそれ以外のシーズンで宿泊料金が大きく異なることがありますのでご注意ください

■①旬の宿 尾崎屋
 [MAPCODE] 365 832 577*33
 (口コミ平均4.8点/5点満点、お勧め度★★★)

 - 道の駅から北西に300m
 - 料金([冬期]2食付き2人計55,000円+[入湯税150円/人]~)
 - 料金([冬期以外]2食付き2人計31,820円+[入湯税150円/人]~)
 - 温泉あり
 - 釜揚げゆで松葉ガニが付いたカニ三昧コース(冬期)が人気

   

■②香住 なごみの香風の宿 さだ助
 [MAPCODE] 365 808 703*71
 (口コミ平均4.5点/5点満点、お勧め度★★☆)

 - 道の駅から東に6km
 - 料金([冬期]2食付き2人計80,000円+[入湯税150円/人]~)
 - 料金([冬期以外]2食付き2人計21,818円+[入湯税150円/人]~)
 - (香住)温泉あり
 - ひとり2匹分のカニが付くプチフルコース(冬期)が人気

   

■③香住 荒神のやどる民宿 三宝 (さんぽう)
 [MAPCODE] 365 808 680*18
 (口コミ平均4.4点/5点満点、お勧め度★★☆)

 - 道の駅から東に6km
 - 料金(1人4,800円、2人計9,600円+[入湯税150円/人]~)
 - (香住)温泉あり/食事付きプランもあり
 - カニの季節でも格安素泊まりを提供する稀少な宿
 - 松葉ガニコース(冬期)が人気

   

■④香住 温泉のある海鮮宿 ひろや
 [MAPCODE] 365 808 528*42
 (口コミ平均4.4点/5点満点、お勧め度★★☆)

 - 道の駅から東に6km
 - 料金(1人9,900円、2人計17,600円+[入湯税150円/人]~)
 - (香住)温泉あり/食事付きプランもあり
 - カニの季節でも格安素泊まりを提供する稀少な宿
 - 冬場はカニ料理のプランもあり[2人計28,000円~]

   

🐶ペット旅

■⑤ペットと旅行に行きたくなる宿 香住 臨海荘
 [MAPCODE] 428 842 416*63
 (口コミ平均4.5点/5点満点、お勧め度★★☆)

 - 道の駅から東に11km
 - 料金(2食付き1人21,000円、2人計42,000円~)
 - ペット可(要事前連絡)

 

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(※ 料金、宿泊条件は時期により変動する場合があります。
上記の料金等は目安としてご活用ください。
料金、宿泊条件の詳細はリンク先のサイトでご確認いただきたく、よろしくお願いします)