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(岩手県の道の駅 no.02)

道の駅 高田松原

駅基本情報
駅名 高田松原(たかたまつばら)
住所 岩手県陸前高田市気仙町字土手影180
コード 193 615 437*10
駅名の由来 かつて存在した広田湾岸に並ぶ約6000本の防潮林の名称より。2011年に発生した東日本大震災に伴う津波により消滅してしまった。
施設 物産館、フードコート、東日本大震災津波伝承館
休館日 無休
営業時間 9:00~18:00[12月~2月は17:00まで]
(フードコート 10:30~15:00)
(東日本大震災津波伝承館 9:00~17:00)
特産品 八木澤商店の醤油/みそ、奇跡の醤(ひしお)、ドレッシング「君がいないと困る」、 奇跡の一本松グッズ(クリアフォルダー/タオルハンカチ/ポスター/等)、忘れ得ぬマドレーヌ、芋羊羹「高田松原物語」、 奇跡の一本松ロールクッキー、リンゴジュース、ホヤのオリーブオイル漬け、三陸ホタテラーメン、気仙沼味噌、 気仙沼ふかひれラーメン、ふかひれスープ、三陸ふわとろめかぶスープ、広田湾わかめ

津波被害からの復興

 三陸沿岸道路の陸前高田長部ICから国道45号線を北に3km。 真っ青な広田湾と広田湾を覆う高田松原と呼ばれる美しい松林を視界に捉える場所に本駅「高田松原」は存在する。 いや、正確には「存在した」と言うべきであろうか。
 本駅が位置する岩手県南東部の陸前高田市は2011年3月に発生した東日本大震災で最も被害を受けた街の一つ。 大津波が街を襲い、市域の7割が波に飲まれ、1,000人以上、住民の約8%が犠牲になってしまった。 過去に何度も津波から街を守ってきた防潮林の高田松原は1本(奇跡の一本松)を残して全て壊滅。 本駅に関しても3階建ての駅施設「タピック45」は大津波の餌食となり、 外形こそなんとか残ったもののボロボロの状態になってしまった。
 時は流れて震災からもうすぐ10年となる2020年9月22日、 隣接の東日本大震災津波伝承館と共に、新しくて美しく、斬新な建物を携え本駅は完全復活した。 運営会社の社長は「建物全体としては追悼・祈念の意味合いが濃いが、道の駅に関しては賑わいのある空間にしたい」と語っている。 市側も観光の拠点として、市外・県外の方にも本駅に訪れて欲しいという意向のようだ。
 なお震災後、2014年8月から道の駅の代替施設として供用されていた近隣の「一本松茶屋」は、 本駅のオープンにより役割を終了。現在は閉鎖になっている。

「君がいないと困る」など、特産品を販売

 本駅は物産館、フードコート、東日本大震災津波伝承館から成る施設構成。 商業施設は物産館とフードコートのみと比較的小さいが、復興祈念公園を含めると面積では東北地方屈指の広い道の駅である。
 物産館では陸前高田市、及び近隣市町村の特産品を販売。 特に陸前高田市で200年以上営業を続ける醤油店「八木澤商店」の商品が目につく。 醤油ドレッシング「君がいないと困る」は商品名と共に復興のシンボルとしてマスコミにも取り上げられた商品。 きっとご存知の方も多いだろう。もちろん「濃口醤油」「薄塩醤油」等の醤油も販売されている。
 高田松原のシンボルとなった「奇跡の一本松」をモチーフにした商品も目立つ存在。 ポスター、クリアフォルダー等の奇跡の一本松グッズに加えて、 「奇跡の一本松ロールケーキ」「夢の樹バウム」、芋羊羹の「高田松原物語」等、一本松をモチーフにした商品が並んでいる。
 海産物も本駅の人気商品で、目の前の広田湾で獲れたワカメや昆布などを販売。 広田湾の海産物を詰め合わせた「海から未来への玉手箱」という商品もある。 また、海のイメージが強い陸前高田市だが、実はりんごも特産品。 りんごジュースが10種類以上も販売されている。

わかこちゃんラーメン、たかた丼が人気

 本駅のフードコートには広田湾漁協が運営する「まつばら食堂」、 陸前高田のお米にフォーカスした店「たかたのごはん」の2店舗が入る。
 まつばら食堂では「海鮮丼セット(1200円)」「鮭親子丼セット(1500円)」等、広田湾の幸を活かしたメニューが並ぶが、 人気No.1メニューは「わかこちゃんラーメン(700円)」。 一見、広田湾の幸とは関係なさそうなこのメニューだが、実は麺に広田湾産のワカメが練り込まれた本駅ならではのメニューである。 実際に食べてみたが、私のバカ舌では正直に言うとワカメが練り込まれているか、なかなか感じることは難しい。 しかし、ワカメは糖尿病予防にピッタリの食材。健康に良いことは間違いない。
 食堂「たかたのごはん」は陸前高田市のオリジナルブランド米「たかたのゆめ」を用いた定食、丼物を提供。 「贅沢三陸いくら丼(2500円)」、三陸の地魚「ドンコ」とタコの唐揚げを乗せた「ドンたこ丼(850円)」、 三陸ジンジャーをベースにしたカレーソースが評判の「ポークジンジャーカレー(900円)」等を味わうことが出来る。 中でも人気は「たかた丼(1400円)」。 牡蠣潮煮、三陸イクラ、三陸メカブを乗せて八木澤商店の柚子ポン酢で味付けした究極の陸前高田の食を味わうことが出来る。

伝承館で津波の恐ろしさを知る

 道の駅の横には東日本大震災津波伝承館がある。 ここには流された橋脚、ボロボロになったジープなどを展示。震災の恐ろしさを目の当たりにして言葉を失ってしまう。 本駅を訪れた方は、是非、自分の目で震災、津波の恐ろしさを感じて頂きたい。
 道の駅施設を抜けて海側に進むと復興祈念公園がある。 まっすぐ進み、階段を上って防潮堤の上まで進むと真っ青な広田湾。 そこから右に進むと奇跡の一本松と震災遺構の陸前高田ユースホステルがある。 左に進むとこちらも震災遺構の旧道の駅施設「タピック45」が見える。 2つの遺構はどちらも津波でボロボロの状態。 改めて津波の恐ろしさを実感させられる。



道の駅看板

道の駅看板

新しい道の駅施設

新装された道の駅施設。建物はとにかく大きい。 左側に東日本大震災津波伝承館、右側に物産館とフードコートが入る。

君がいないと困る

復興のシンボルにもなった八木澤商店の醤油ドレッシング「君がいないと困る」

わかこちゃんラーメン

広田湾のワカメを練り込んだ「わかこちゃんラーメン(700円)」。岩のりとチャーシューがトッピングされている。 月曜日は500円のサービス価格で提供。

広田湾産生うに丼

ウニ開口日から2日間(年間で6~8日間)しか提供されない幻の「広田湾生うに丼(2200円)」。 こちらも食べてみたかった。

東日本大震災津波伝承館

東日本大震災津波伝承館。津波で破壊されたジープや橋脚が展示されている。

復興祈念公園

道の駅を抜けて海側に進むと復興祈念公園がある

広田湾

防潮堤の上から見る広田湾

奇跡の一本松

右に進むと「奇跡の一本松」がある。海水によって根が腐り枯死となってしまったが、 人工的な処理を加えてモニュメントとして保存されている。

現在のタピック45

旧道の駅施設の「タピック45」。震災遺構として保存される予定。

在りし日の駅施設

ここからは在りし日の道の駅の姿を。道の駅施設の「タピック45」。レストランと海産物直売所が入っていた。(2007年10月撮影)

在りし日のけんか七夕の神輿

タピック45内では名物「けんか七夕」で用いられる神輿が展示されていた。(2007年10月撮影)

在りし日の高田松原

在りし日の高田松原。もうこの松林を見ることは出来ない。(2007年10月撮影)

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